エリザベス 2世の肖像 パート IV | Arrow Tokyo

エリザベス 2世の肖像 パート IV

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エリザベス2世の肖像をあしらった紙幣の収集はその経験を問わず、いかなる収集家にとっても大いにやりがいのあるものであると言える。『女王の紙幣』収集には様々な面があり、数多くの収集家たちがざっくばらんに、だが親しみを込めてこの収集分野について。語っいる 29の国と地域、紙幣発行期間中に名称が変わった場合を含めると33の国と地域で女王の肖像をあしらった紙幣が発行されており、発行を念頭に見本、プルーフ紙幣、モックアップを作成したものの発行には至らなかった場合を含めると現在35の国と地域に及んでいる。女王の肖像は、王女時代の肖像から現在の女王としての肖像まで、その治世にわたって何度も変化している。現在でも15ヶ国において何らかの形で女王の画像をあしらった紙幣の発行・流通が行われている。現在の貨幣収集の世界において、このテーマより大規模で、多様性に優れ、またほぼ間違いなく美しいものはないであろうし、今後もこのようなテーマが現れることはないであろう。ラッセル・ウォラー
肖像16
この肖像のエリザベス女王はイブニングドレス姿で、ダイヤモンドのネックレスとダイヤモンドのイヤリングを身に着けている。このダイヤモンドネックレスは1947年4月に、当時まだ王女であったエリザベス女王に南アフリカ国民からの贈り物として贈呈されたものである。このネックレスは当初、21個の大きなダイヤモンドを、両側に2つの小さなブリリアントカットのダイヤモンドを取り付けたバケットカットダイヤモンドでつなげたものであった。即位後まもなく、エリザベス女王はこのネックレスを大きなダイヤモンド15個分まで短くさせ、残りのストーンはこのネックレスに合わせて制作されたブレスレットに取り付けられた。この肖像で身に着けているネックレスは短く作り替えられた方のものである。エリザベス女王が身に着けているイヤリングはメアリ王妃のクラスター・イヤリングである。それぞれ、ブリリアントカットの大粒のダイヤがプラチナにセットされ、小さなダイヤモンドが二重に取り囲んだデザインになっている。彫刻の元になったオリジナルの写真は、アンソニー・バックリーが1962年頃に撮影したオフィシャルポートレートである。

元の肖像の作成: 1962年頃
作者アンソニー・バックリー

肖像16a
この肖像の彫刻はブリティッシュ・アメリカン・バンクノート社のジョージ・グンダーセンによるもので、1973年発行のカナダ1ドル紙幣と2ドル紙幣、1969年および1979年に発行された20ドル紙幣で使用されている。

この肖像の使用カナダ -- P-85、86, 89 および93 
 
肖像16b
ソロモン諸島の紙幣はトーマス・デ・ラ・ルーが準備したもので、カナダ紙幣のために準備された彫刻とは若干異なっている。デ・ラ・ルーの画像では顔の影により細い線を使っており、カナダ紙幣よりも女王の表情は若干厳かになっている。

この肖像の使用:ソロモン諸島 -- P-5~12
 
肖像17aこの女王の肖像は、在位25周年の1977年にピーター・グルージェンが撮影した写真に基づいたもので、より広く普及している女王の画像の一つである。この肖像の女王はウラジミール大公妃のティアラとビクトリア女王のゴールデンジュビリー・ネックレスを身に着けている。このティアラはロシア革命のさなかにロシアから密かに持ち出され、現在は女王の所有となっている。この肖像を使った画像の大半で、ジョージ6世のロイヤル・ファミリー・オーダーが女王の左肩下に描かれている。ジョージ5世のロイヤル・ファミリー・オーダーの上端が入っているのはこの肖像を使った画像の一部のみである。

元の肖像の作成1977年
撮影者: ピーター・グルージェン


この肖像の使用:
ニュージーランド -- P-169~176
マン島
-- P. 39
肖像17b
デ・ラ・ルーの彫刻は、肖像17aで言及されている違いがあるほか、目元や口元に若干違いがあるため、女王の表情がより明るくなっている。

この肖像の使用: 
  • フォークランド諸島 -- P-12~16
  • バハマ -- P- 42~49 および 53~56
  • 東カリブ海諸国 -- P-17~36
  • バミューダ -- P-34~49
  • ベリーズ -- P-51~65
  • ケイマン諸島 -- P-12~25
肖像17c
このバージョンの肖像は、他の紙幣で使用されている画像のごく一部のみを切り取った珍しいものである。ティアラとネックレスは描かれていない。(ジブラルタルで発行されたシリーズで使用された透かし模様では、上記a.b.のバージョンのように、ティアラも含め画像全体が使われている。)他での前例に合わせ、この肖像は、写真が撮影されてから約33年経過した20102011年に発行された一連の紙幣で使用されている。

この肖像の使用ジブラルタル -- P-3539
肖像18
元の肖像の作成:1984年
撮影者:アンソニー・バックリー
彫刻者:ヘンリー・S・ダウトファイア(トーマス・デ・ラ・ルー)

こちらはあらゆる紙幣で使用されているエリザベス女王の肖像のうち最もインフォーマルなものの一つである。また、成熟した年代の王を最も美しく描いたものの一つでもある。カナダ紙幣("Standard Catalog of World Paper Money"のNo. 94、97および100)で使用されている彫刻の肖像はトーマス・デ・ラ・ルーのヘンリー・S・ダウトファイアによるものである。1984年のアンソニー・バックリーによるオフィシャルポートレートを元にしたこの彫刻のエリザベス女王は、シンプルなネックラインのドレスを着用し、真珠の三連ネックレスを身に着けている。このネックレスは1935年5月6日のジョージ5世即位25周年を記念して王から贈られたものである。


この肖像の使用: カナダ -- P- 94、97 および 100
 
肖像19
元の肖像の作成:1978年

                  作者:ノーマン・ヘップル

この女王の肖像はノーマン・ヘップルによる絵画から複製したもので、絵画から複製して彫刻した数少ない女王の肖像の一つである。この肖像の女王はガーター騎士団のレガリアを身に着けている。この肖像はジャージーから委託されたものであった。原本になった女王の絵画は、ジャージーのセント・ヘリアにある政府建物内のジャージー議会議事堂入口に掲げられている。

この肖像の使用: ジャージー -- P-1525
肖像20
元の肖像の作成:1985~86年
撮影者:ドン・フォード

イングランド銀行発行の「Eシリーズ」の準備において、女王の写真が銀行から特別に委託された。ロジャー・ウィシングトンの指示の下、これらの写真を撮影したのは、銀行のテクニカルフォトグラファーの一人、ドン・フォードである。ウィシングトンは「Eシリーズ」紙幣のデザインを行い、女王の彫刻を準備した。この彫刻は、フォードの撮影した写真のうち1枚を基にしており、このシリーズの紙幣で使用されている。この肖像の女王は、メアリ王妃の「ガールズ・オブ・グレートブリテン・アンド・アイルランド」ティアラ、アレクサンドラ王妃のクラスター・イヤリング、さらにそれとは分かりづらいが、ビクトリア女王のゴールデンジュビリー・ネックレスを身に着けている。「ガールズ・オブ・グレートブリテン・アンド・アイルランド」ティアラはバンドゥベースがあってもなくても着用可能であるが、この肖像ではバンドゥベースにセットされている。(肖像3では、このティアラはベースなしで着用されている。)

この肖像の使用フィジー -- P-382-291
肖像21a
元の肖像の作成:1984年
撮影者:ジョン・ローレンス

このインフォーマルな女王の肖像は1992年7月からオーストラリアで発行されている5ドル紙幣で使用されている。女王はシンプルなドレスとパールのネックレス(ハノーヴァー家からビクトリア女王が相続したもの)、アレクサンドラ王妃のクラスター・イヤリングを身に着けている。この5ドル紙幣のデザインはブルース・スチュワートによるもので、女王の肖像はジョン・ローレンスによる写真に基づいている。この肖像は1984年に豪州準備銀行から委託されたものであった。女王は1988年オーストラリア紙幣でこの肖像を使用する許可を出している。

この肖像の使用:オーストラリア -- P-50 および 51




 
肖像21b
この肖像はオーストラリアで2番目のポリマー紙幣シリーズのために描きなおされている。その結果、女王はより魅力的でふっくらした顔をしており、女王の威厳のある視線がまっすぐこちらを見るように描かれている。

この肖像の使用:オーストラリア -- 新紙幣 2016年